第4章 復讐の加速
「あと10分ぐらい残ってるけどどうする?」
俺はシルバー・クロウに言った。
「じゃあバーストリンカーらしく対戦しようよ」
「バーストリンカーらしく....ね、初めて聞いたぞそんなの」
「そうなの?あ、あはは...えーと...心意技ってウォーデンは使えるんだろう?」
ウォーデン...?ああ俺のことか。
「...なんで俺が使えると思うんだ?」
「だってさっき使ってたじゃないか」
あれー?使ってたっけ...無意識でやったのかな。
「...まあな、だがもう使えない」
「え?な、なんで?」
「俺の心意技の源は全て『妹のため』と言う気持ちが源泉だ。そしてお前が【ISSキット】を作っていないといい解除方法まで教えてもらってはお前に対して心意を練ることができないんだ。なにせ妹に対しての敵意と俺の怨みを買う理由が無いからな」
そう、俺の心意技はなにかしら『妹のため』ではないと発動できないのだ。
逆に、妹のためとならば精神力が尽きるまで無限に心意技を発動することが可能なわけだが。
「...えーと...じゃあ今心意技は使えない、と...?」
「ああ、さっきまでなら妹に悪い影響を及ぼす【ISSキット】の作成者の疑い。という理由があったからな」
【シルバー・クロウ】は戦慄した、この男は妹のためだけで心意技を発動したのだ。
ブレインバーストをインストールする条件の1つに『生まれた時からニューロリンカーを装着していること』というのがある。
生まれた時からニューロリンカーを装着しているうちの大体の理由は親が仕事で子供に時間を避けれないため、だ。
ニューロリンカーをつけるさせると常時心拍、血圧などを測ってくれるし、泣いた時など強制的にフルダイブさせて泣きやませることができるのだ。
しかしそうなると親との接触は必然的にほぼ無くなる。
その為かバーストリンカーたちは例外はあるが基本的に親の愛情を知らない子供達、となる。
それを求めた結果がブレインバーストでいうコピーインストールになるのだがウォーデンの場合は妹にそれが傾いたようだった。
気持ちは、理解できなくもない。
しかしそれは愛情ではなく、ほとんど妄信に近いのではないだろうか。