第32章 第31セット
*花巻side*
優に膝のことがバレた俺は少しぶーたれながらシューズコーナーへ向かった。
「どーれがいいかねぇ」
もう逃げないだろうと優の手を一旦離すとトタトタと駆けていって、一つのシューズを手に取り戻ってきた。
花「これ、、、」
《貴大がいつも履いてる種類の新モデルだよ。》
俺はいつも同じ種類の新モデルを履いている。
すげー気に入ってるしめんどくないから。
でもそんなとこ気づくなんて、、、
「さすが凄腕マネージャー」
そう言って頭を撫でると元ね、と訂正された。
とっさに出そうになった“戻って来い”って言葉はなんとか発せずに飲み込んだ。
ほんとは今すぐにでも青城バレーに戻って欲しいけどよ、、、
覚悟を決めて出した答えに俺が軽々しく口を挟んで良いわけが無いから大人しくしておく。
「じゃーこれにすっか!サイズはー、、、」
はいっと出されたシューズの入った箱。
俺の足のサイズのやつ。
マジでこいつすげーと思う。