第16章 第15セット
*及川side*
とりあえず会議を閉廷して岩ちゃんのところへ向かった。
「チョット、岩ちゃん!!」
岩「何だよ、くそ及川。おせーぞっ!」
「それより!なんで勝手にマネージャーの入部許可出してんの!?それ、主将の及川さんの役目でしょ!」
岩「お前主将らしい事してねーだろーが!」
「ヒドイッ!!!!じゃなくて!何も聞いてないんだけど!?」
岩「今言った」
「事後報告!!」ゲーン
岩「うっせーな。いいだろうが、マネージャーの一人くらい!」
「でもッ!!」(クイッ
ジャージの袖を引っ張られた感覚がしたのでそっちを向くと、優がいた。
「どうしたの?」
俺が尋ねると、チョイチョイっとノートを見せてきた。
《これから合宿とかで人で欲しくなるから入ってもらいなよ》
そう書かれていた。
「けどっ!」
なおも食い下がろうとする俺にしかみえないように
《わたしは平気だから》
そう書いて優は笑った。
あぁ。
そうやってまたお前は
自分を傷つけるんだね。
ばか。
けど、そんなお前を守れない俺は、
大馬鹿だ。