第10章 第9セット
*及川side*
少しずつ試合は進み、4点差と5点差を繰り返す。
そして、飛雄を観察するうちにあることに気づく。
田「ソアァァ!!!ハイヤーッ」
烏野のボーズくんがスパイクを決める。
田「あと軽く4点ひっくり返すぜー!!」
日「ソイソーイ」
「元気だね。そんで、厄介だね、、、」
チビちゃんがトスを“くれ”と呼んだので約束の通り金田一がトスを見てから跳ぶ。
ギリギリで軟打に切り替えられて点は決められちゃったけど、飛雄とチビちゃんが焦ればそれでいい。
飛雄のサーブが前に落とされてマッキーがギリギリで上げ、岩ちゃんがカバーする。
岩「及川ラスト!」
「そう簡単にチャンスにしてやんないよ!」
飛雄がファーストタッチになれば攻撃は絞られる。
ドヂッ ボーズくんのスパイクをドシャット
「いつも威勢のいいムードメーカーが、大人しくなった時の空気の重さったらないよねぇ。」
俺の座右の銘は
ー“叩くなら折れるまで”ー
ここで、折る。
ボーズくんの腕を弾いたボールは壁にぶつかる。
サーブレシーブの連続ミスは相当なプレッシャーになる。
まずは元気なボーズくんを静かにさせて
次はエース。
攻撃の要のレフト二人が折れれば、
優秀な囮も意味を成さない。
ピーッ 「むっ」
まぁいい。集中は切らさないからね、、、。