第7章 旅行編
昭和中期ごろ、この地にあった総合病院。とある医師は総合病院の院長になる。
地元でも評判の良い病院だったが、ある時患者の失踪事件が起きた。
原因が全く分からず事件は未解決のまま収束したかに見えたが、しばらくして入院患者の失踪事件が再発。
その後患者だけでなく、医師、看護師も失踪する事件が多発。
不審に思った研修医が病院内を調査し病院の建築図面には載っていない地下空間の存在に気付いた。
そこは、院長が失踪者を使って人体実験を繰り返した空間だった。研修医は院長を問い詰め脅迫。
追い詰められた院長は、患者、医師、看護師を次々と殺害し最後は病院内で焼身自殺を図る。
警察が捜査に訪れるが惨劇の跡は残りつつも生存者どころか死体さえも一切見つからず、未解決で迷宮入りとなる。
病院自体は証拠物件として惨劇直後そのままの状態で残され立ち入り禁止となった。
そのまま数十年が経過し現在。人影を見かけたという噂が…………。
だってさ」
出来るだけ怖い雰囲気が出る様にゆっくり読んだ。
聞いてる時のアルは青ざめていてアーサーは何が考える様に聞いていた。
「……え、と、今話した事が起こった所に入るのかい……?oh……」
「そんなに失踪殺人事件が起きてんのに警察は何してんだよ………」
「いやいや、アーサー突っ込む所そこじゃないから!」
全く怯える様子のないアーサーに少しつまらないと思いながら本気で怖がっているアルに教えなきゃ良かったかなとも思う。
けど、そういう事があったと知っていればもっと色々この失踪事件があった病院(お化け屋敷)も楽しめると思う。
「大丈夫だよ、アル!もしも迷っちゃった時とかギブアップのしたい時は途中で出れるから!」
「あ、なら大丈夫じゃねーか?
あと、これは本気で言っとくが、パニックになって建物ぶっ壊すんじゃねぇぞ?その前に言えよ?絶対だからな?」
「……善処するぞ」
俺はアーサーの言葉に驚愕する。
(アルって…どんだけ馬鹿力なんだろ…人間じゃな…あ、国だから人間じゃないのか。でも、建物壊すって素手でだよね?本当に凄い……ていうか善処って‼︎)
「本当に壊しちゃダメだからね!ダメだと思ったらすぐに言うこと!中に入ったら俺とアーサーのいる所から絶対離れないこと!約束だよ!」
「分かったって!約束するんだぞ!」