第2章 そして好きになる
「ねえねえ、しずちゃんって呼んでもいい?」
さっき声をかけてきた女の子がそう言った。えーと、この子の名前はなんだ。私は女の子の胸ポケットについている名札を見た。
えーっと……『坂道』さん、かな?
「あっ、私の名前言ってなかったね。私は坂道楓香(ふうか)だよ! よろしくね~。ふーかって呼んで! あ、さかちゃんでもいーよ。中学のときはそう呼ばれてたときもあったし」
楓香ちゃん、か。なら、ふーかちゃんと呼ぼう。
「ふーかちゃん、でいい?」
「うん! おっけーおっけー」
ふーかちゃんがそう言うと、彼女の横にいた女の子がふーかちゃんの肩を叩きながらつぶやいた。
「ふーかノリノリだね」
「だって、楽しいじゃん!」
ふーかちゃん、ほんとノリノリ。っていうか、元気。ルンルンだ。すごい、この子。面白い。
……なんてね。