第2章 そして好きになる
転校してから一日が経った。と言っても、昨日は数十分しかいなかったわけなんだけど……まあ、それは気にしないとして。
「いってきまーす」
昨日と同じく焦げ茶ブレザーに赤チェックスカートで登場いたしました、浅野静香です!
るんるん気分で登校する。なんと私は一日で登下校の道を覚えることに成功したのです! やったよ、美帆ちゃん。美帆ちゃんは前の学校の子なんだけど、よく一日で覚えられるねって褒めてくれたんだよね~。あの時は嬉しかったな。
「おはよ~浅野ちゃ~ん」
「あ、紗有ちゃん! やっほぉ!」
やっぱり、どの学校も好きです。