• テキストサイズ

今日もあなたと【短編集】

第1章 風邪編〜影山飛雄〜



静かな部屋に響いたリップ音は、
確かに間違いなく、私の頬で鳴っていた。


…って、えええ!?

「お、お前、か、可愛すぎんだよボケェ!!
いいいいいい加減に気づけボケェ!!

俺はお前が好きなんだよボケェ!!」

混乱した頭で彼を眺めていると、
彼自身も一気にまくし立てた言葉に驚いているようで、
自分の言った言葉の意味に気づいて、
だんだんと顔が赤くなっていく。

「っ!!い、今のは忘れろ!!」

「忘れられるわけないよ!!」

「いいから忘れ…「好きなの!!」

気がついたら、彼の言葉を遮って叫んでいた。
でも、もう、隠す必要ないんだよね?

「私も…好きなの…影山くんのこと…」

言ったあとでとてつもなく恥ずかしくなって、
とっさに、手元にあった毛布で顔を隠す。

「じゃ、じゃあ、その…お、俺と付き合え!」

彼らしい告白に、思わず笑みが溢れる。

「ふふっ、命令系?」

「うっ…」

「こちらこそ、よろしくおねがいします!」

毛布越しにそう言うと、急に毛布をはぎ取られ、真っ赤な顔が露になる。

「ん…」

重なったのは、唇だけじゃなくて、二つの恋心も…
/ 23ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp