第4章 九尾襲来の日。それから。
それからしばらく。
両親のお墓をつくって、近所の人にさよならをして、ついにうちはのうちへ行く日がやってきた。
意外にも、うちはの集落はわたしの住んでいるところから近いらしく、新しい家には、ナキさんと歩いて行くことになった。
といっても、わたしが乗れるような乗り物がないというのもあるが。
大名とかが乗るような籠には乗れないし。
口寄せ動物は持っていないらしいし。
というか、どうしてわたしは気づかないんだろうか。
けっこうな近さに見たことのある建物があったはずなのに気づかないなんて、わたしの目はおかしいんじゃないだろうか。
それか、意図的に隠されていたか。
母はわたしに一度もうちはの話をしなかった。
理由はわからないが、わたしをうちはに近づけたくなかったのではないかと思う。
ま、そんなこと、今となってはどうでも良い。
イタチ、サスケとともに暮らすことが出来る。
それが一番大切で、重要。
楽しみで仕方がない。
「ミユキちゃんもうすぐつくよ。あ、ほら、あそこに見えるのがそう」
隣を歩くナキさんの声に従い、見ると、そこには大きな家があった。
「これが、これから暮らす家ですか?」
「うん、そう。大きいでしょ」
「はい、おおきいです」
大きすぎて唖然、という感じだ。
というかこんなに大きかったっけ?この家。
全体像見たことないけど、なんか想像より大きい。
わたしは、こんなに大きな家で暮らすのか。
・・・迷わないようにしないと。