第9章 会えない時間
私の体がふわっとした温かさに包まれた。
薮くんが抱きしめてくれていた。
愛「薮くん…?」
びっくりして涙が止まった。
薮「あ、泣き止んだw」
親指で涙を拭ってくれた。
愛「ごめんっ…私、泣いて…。」
薮「泣きたい時は泣けよ。」
愛「ありがとう。」
薮「//…ごめん、ホントにごめん!」
愛「えっ、何が…んっ?!」
唇に生温かい感触。
私の唇に薮くんの唇が重なっている。
薮「何もしないって言ったのに…ごめん。」
愛「あ、うん…。びっくりした…。」
薮くんとキスをしてしまった…。
涼介が知ったら怒るよね?
でも…もっとして欲しいって思った私は最低だ。
薮くんを涼介と重ねてしまう。
それもまた最低だ。
薮「愛湖?」
無意識に薮くんにしがみついてた。
愛「一人に…なりたくない。」
薮「ん。俺で良かったらいつまででも一緒にいてやるから。」
愛「ありがと…。」