第1章 ドキッ男だらけの相合い傘選手権/刀剣乱舞
「さて続いてこの方、頼れる粟田口の長男。圧倒的ロイヤルお兄ちゃんオーラを放ち今日も弟たちの面倒を見ます、一期一振!!」
「よ、よろしくお願いします」
美しい青がかった髪をなびかせガチガチで登場したのは一期一振。普段は温厚な彼だが弟たちにちょっかいを出した者には鬼の形相で説教をするとか…(主に鶴丸)
「それではスタート!!」
【case5:一期一振】
今日は主と共に万事屋に買い出しに来ている。資材が割引の日だとかなんとかでいつもの倍くらい混んでいる。更に天候は雨。
『ごめんね一期。こんな混んでるし雨の日なのに買い出しについて来てもらっちゃって』
「これくらいお安い御用ですよ」
それから予定していた買い物を全て終わらせ現在私達は本丸まで歩いているのだが、混んでいるということもあり傘がぶつかる。
主も先程から何度もすれ違う者と傘がぶつかっては謝っていた。
「あの、主?」
『あっごめんね!何度もぶつかってて』
「いえ、あの…もしよろしければ私の傘に入りますか?」
『え!?一期さんの傘に!?』
「あっいえっすみません!余計なことを言いました!」
ああ恥ずかしい。きっと私は今焦りに焦って真っ赤な顔をしていることだろう…。
思わず手で顔を覆っていると隣で傘を閉じる音が聞こえた。
『じゃあお邪魔しまーす』
「はっはい、どうぞ!」
なるべく彼女の方に傘が寄るようにしているがやはりこの距離で2人とも雨に濡れないのは難しい。
「ああ、主!!」
『な、何ですか一期さん! 』
「あのあのあのですね!その、私達がもうちょっと近くに寄れば雨に濡れないのではないかと!」
『ほう』
「その、つまり…もうちょっと近づきませんか?」
『そうですね!』
実に情けないとショックを受けていたが彼女の笑顔を見たらなんだかどうでもよくなってしまい、そのまま本丸へと足を進めた。
「青春…だな」
「獅子王殿…からかうのはよしてください」
「まあまあ、さて審査員から好評を、乱藤四郎!」
「いち兄ってば真っ赤になってた!でもそんないち兄が好きー!」
「さて、気になる得点は!?」
【一期一振:7点】
「これまたなかなかの点数!感想をどうぞ!」
「不甲斐ないばかりです…!!」
弟たちに冷やかされながら控え室に戻って行く一期一振であった。
