第2章 夢で見た空
一瞬のことだった
目の前からいなくなったと思い
窓にかけより下をのぞく
いない…??
「ゆずき、上だよ」
クリスタの声にパッと上を見上げる
そこには青い空に浮かぶ
エレンの姿
「飛んでる…」
あっという間に遠くの大きな木まで
飛んでいって
そして見えなくなってしまった
なんでだろう
心臓がドクドクと波打ってるのがわかる
しばらく呆然と見ていた私に
ふふっとクリスタが笑う
「飛んでいくっていうよりかは
…正確に言うとちょっと違うんだけどね
でも、あれは私たちにとって
必要不可欠なものなの」
外からの気持ちのいい風が
吹き抜ける
いまだ収まらない鼓動
脳裏に焼きつく
エレンの姿
「夢で見た空だ」