第7章 過去の話
『昔、私は男子バレーの公式試合にも
出られる資格を持っていたんです』
「え…まさか…
半年前に突然姿を消した…」
『はい…
翼を無くした英雄と呼ばれていました』
中学時代にめちゃくちゃ有名だった
ブロック、スパイク、トス
サーブにレシーブ…全てにおいて
彼女の右に出るものは居ないと言われるほど
ただ、半年前に突然
コートに現れなくなった
『それで、私1人が男子バレーに
混ざって練習をしていました
私が前居たバレー部にはファンクラブが
できるほどの人気な人が居て
マネージャー希望が絶えるわけもなく…
でも、部員目当てで
マネージャーなんてされたら
困りますよね
なので、皆入部できなくて
そんな中私が
男子バレーで練習をしてたら…
わかりますよね?』
「イジメられてたの…?」
『はい
ただのイジメならまだ良かったのですが…』
そう言うと、千春ちゃんは
ブラウスのボタンを外し始めた
「ちょっ…千春ちゃん!?」
『見てください』
咄嗟に閉じた目を開いた
「っ…」
血の気が引いていくのがわかった
『階段から突き落とされた時にできた傷です』
肩に大きな手術の痕が残っている
『複雑骨折した上に神経傷つけてしまい
バレーができなくなりました』
「まじかよ…」
『同情なんてしないでください』
来週にはあなたともう会えないのだから
千春ちゃんは
ポツリ…と呟いた