第4章 バレーなんて…
及川先輩大丈夫かな…
まぁ、ちょっと捻っただけだったし…
んー…
「千春ちゃーん!」
『!?』
名前を呼ばれたかと思うと
後ろから抱きつかれた
『お、及川先輩!』
「おはよ、千春ちゃん」
『おはようございます…
あ、足は大丈夫ですか?』
「ん?
あぁ、もう大丈夫
さっき病院連れてかれたけど
骨にも異常なかったし」
『…良かった
でも、まだ無理しちゃダメですからね!?』
「わかってるよ」
そう言って及川先輩は私の頭を
優しく撫でてくれた
あれ…この感じ…
「あ、あのさ…千春ちゃん」
『はい?』
及川先輩が急に真面目な顔をして
私の手を握った
「バレー部のマネージャーやんない?」
バレー…
その言葉ドキリとする
もう傷口は塞がったはずなのに
ズキズキと痛んだ
『…すみません
私、もうバレーなんて見たくもないんです』