イケメン王宮◆BL・悪魔のお仕置きと狂った果実【R18】
第20章 狂った果実~アランorユーリ編~
ぐるぐる考えながら
自室へたどり着く。
と
部屋の前に
うずくまる小さな人影が。
(まさか……)
アランは恐る恐る声をかける。
『………おまえ……』
膝を抱えていた人影が
ぴくりと震え
埋めていた顔が持ち上がる。
ピンクベージュの髪の隙間から
琥珀の大きな瞳が覗いた。
月の光を受け、
きらりと煌めくその瞳からは
宝石の様な涙が
止めどなく零れていて。
どきり。
アランの胸が大きく音を立てた。
「………………アラン、様…」
消え入りそうな声。
そこにいたのは
アランが会いたくて
抱き締めたくて堪らなかった
愛しい人
ユーリだった。