第19章 狂った果実～シドvsルイ編～

ぱんぱんぱんぱんぱんぱん…




「くっ……はっ……」




腰を打ち付ける音と、

荒い息遣いがバスルームに響く。




獣のように

四つん這いにさせられたシドを

ルイが後ろから突いていた。




（くっ、なんでいつも俺が受け？

俺はお前に突っ込みてえのに。

いや、お前に触れて貰えるのは

嬉しい。

嬉しいに決まってる。

だが………………

なんでこいつ、俺に突っ込むんだ？

俺を好きだとは到底思えねえ）




チラリと振り返ると

恐ろしい程の無表情で

まるで機械の様に淡々と

腰を振るルイと目が合った。




（やっぱ全然気持ち良さそうじゃねえ！

いつもこうだ！！

分かんねえ！！

ミステリアス過ぎる！！）




無感情な瞳がシドを見下し

怪訝な声が響く。




『……なに？』




「っ………なんでも……ねえ…」




（くっそ…

無表情で腰振ってても綺麗だ…

好きだ、ルイ）




『…………』




ぱんぱんぱんぱんぱん………




何故突っ込むのか。




聞きたい。




のに




怖くて聞けないチキンハートのシド。




抵抗したいような

このまま流されていたいような。




やがて




その疑問も思惑も




ルイが腰を打ち付ける音と共に




ぐちゃぐちゃになって




快楽に呑まれていくのだった。




ぱんぱんぱんぱんぱん………







第19章
狂った果実～シドvsルイ編～

-End-