イケメン王宮◆BL・悪魔のお仕置きと狂った果実【R18】
第15章 悪魔のお仕置き~ユーリ編②~
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ジルはユーリの後ろに回り込み
ユーリの両肩に触れている。
「でも、びっくりしました」
『何がですか?』
「まさか国王陛下側近のジル様が
直々に採寸して下さると思ってなかったので」
ジルは手に携えたメジャーの目盛を確認しながら
ユーリの耳元に唇を寄せて
吐息混じりに答える。
『大切な貴方の服の採寸ですからね。
他の方には、お任せ出来ません』
「た……大切な……俺?」
ユーリの頬がほんのりと染まる。
(くすっ……初々しいですね)
『ええ。
これから王宮に使える貴方の、
大切な仕事着ですから』
「え……あ……そっか。
そうですよね。
高貴な方にお仕えするには
身形も大切ですよね。
……な、なんだ、そういう意味か……」
『どうかなさいましたか?』
ユーリは恥ずかしそうに俯いて
消え入りそうに答える。
「あ…いえ……ジル様が、
俺を大切に思ってくれてるのかなと
勘違いしちゃって……」
『え?』
「あっ、いえ、なんでもありません///」
ぷるぷると首を振って
真っ赤になるユーリ。
『……そうですか』
ジルは優しく笑い、採寸を続けた。
(…大正解ですよ、ユーリ。
“私好みの大切な貴方の仕事着だから”です)
本来なら自分の仕事であるはずもない
“執事服の採寸”を
ジルは自ら行っていた。
もちろん
超美味しそうな、この新人執事の
“味見”をするために。