第14章 悪魔のお仕置き～ルイ編～

「だって……

そうしたら

嫉妬してくれるかもしれないから…。

そしたら

彼の中が俺でいっぱになるかもしれないから…。

俺は…

もっと彼が欲しい。

本当は

俺だけの世界に閉じ込めて

俺だけと話して

俺だけに笑いかけて

俺だけを………愛して欲しい。

彼を……俺で埋め尽くしたい…」




『…………今日は雄弁だな』




シドは

ルイの顎をクッと持ち上げ

視線を絡めた。




『お前は

やっぱり悪い男だ。

それに

相当イカれてる』




「………お前ほどじゃない」




ルイはその清んだ碧い瞳で

じっとシドを見詰め返した。




「……それにしても

よく分かったね。

演技だって…」




『当たり前だろ』




「………お前…俺を見すぎ」




ルイは、

羽織らされていたシドの上着を

はらり…と落とすと

ロープで縛り上げられた裸体を曝した。




相変わらず美しい

しなやかで白い肢体。




ルイはバスタブの縁に腰を降ろすと

脚を組み

無感情にシドを見上げる。




「……洗って。

気持ち悪い」




シドはルイを見詰め返した。




『ずいぶん偉そうじゃねえか』




「……嫌ならいい。

自分でする」




見詰めあったまま、沈黙が落ちる…




『………………………チッ…』




シドは眉を顰め

ルイの前に跪くと

怪訝な表情とは裏腹に

そっと優しく足を持ち上げ

その美しい爪先に

キスを落とした…








第14章
悪魔のお仕置き～ルイ編～

-End-