第11章 狂った果実～ユーリorレオ編～

（くすくす……固まってる）




静まり返った部屋に

時計の振り子の音だけが響く。




やがて、

はっとしたように

長いまつげを震わせながら

おどおどと

視線を彷徨わせ始めるユーリ。




「あの……えっと…」




（あたふたしちゃって。

こんな子が城にいて、

この先、やっていけるのかな）




「……俺…」




（可愛いな。

もうちょっと見てたいけど

さすがにかわいそうかな）




『ユーリ……』




レオが声をかけたのと




「俺っ！！」




ユーリが

意を決したように顔を上げたのが

同時だった。