第19章 消えない跡
葵は給水器の近くでドリンクも作らずに座っていた。
(花巻さん……もしかしたら知ってたのかな……誰にも言ってなきゃいいけど……)
葵は花巻に知られてしまった事で不安で一杯になっていた。
暫くし岩泉が葵に近付いて来た。
「葵!」
岩泉が葵に話かけると
葵はビクッとし咄嗟に身構えた。
「さっきごめんな!花巻それ知ってたから!」
岩泉は葵の巻いていたタオルを指して言った。
「……知っていたんですか?……もしかして岩泉さんも……」
「昨日、及川から直接聞いた。知ってるのは俺と花巻と松川だけ。」
「………そうだったんですか……」
「あいつらは絶対喋ったりしないから、もう泣いたりすんなよ。泣いたらみんな気にして気付かれる可能性が高くなるからな。」
そう言って岩泉は葵の頭をポンポンと軽く撫でた 。