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プロポーズされてみませんか? 【短編集】

第11章 夢の国で 【黒子テツヤ】



黒子side
「ねぇ!テツヤ!あれ見てあれ!」
「はい。見えてますよ。シ●デレラ城ですね」
今僕たちはあの夢と魔法の国に来ています。久しぶりのデートで僕としても嬉しいです。
「何から回る??やっぱり私はカ●ブの海賊がいいな!」
「じゃあそうしましょう」
春乃と手を繋いで人混みの中を進む。何回か肩がぶつかったりするけれど、この人混みだからしょうがない。
「けっこう並んでるね」
「そうですね。でもすぐに順番回ってきますよ。こうして話していれば」
「そうだね!」
最後尾に並んで順番が来るのを待つ。
「それにしても久しぶりで嬉しいよ!それに久しぶりのデートがディ●ニーなんて!」
「しばらく休みが取れませんでしたから」
「人気作家の黒子テツヤだもんね!」
「それを言うなら春乃もでしょう?」
僕と春乃が出会ったのは出版社。出版社に用事があって訪ねたときに出会った。春乃が書いていた小説は全部持っていたし、次の本が出るのもいつも楽しみにしていた。そんな憧れの作家に出会ってすごく嬉しくて。春乃も僕が書いた本を全部持っていて、お互いにファンだった。それから何回か会って、憧れが恋に変わり、交際に発展した。けど、お互いに仕事が忙しくて、締め切りもあわないからデートをする回数も他のカップルに比べればすごく少ない。でもそのぶん、久しぶりに会えた時は嬉しい。
「テツヤ?何ボーッとしてるの?順番回って来たよ?」
「あ、すみません」
アトラクションの船に乗り込み、ガコンと音を鳴らしながら船が前に進む。辺りは薄暗く、様々な人形や小道具が世界感を作り出す。
「わあ!すごい!金貨とか本物みたい!」
「春乃、あんまり身を乗り出すと危ないですよ」
「あ、うん。ついつい、ね」
「もうすぐですよ、このアトラクションの盛り上がるところ」
「ほんと!?わぁー!!」
辺りがさらに暗くなっていく。すると船がガクンと揺れて前に滑る。
「わあ!?」
急なことで驚いたのか、春乃が僕の腕にしがみついてきた。
「ビックリしたぁ……」
「僕はこれが好きなんです」
「ビックリしたけど面白かった!!」
それから船の旅は続き、ゆっくりと船が止まる。
「あー!楽しかった!!」
「そうですね」
「次、何乗る?」
「春乃は何に乗りたいですか?」
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