第3章 ジューンブライド 番外
青峰side
「春乃ちゃん綺麗だったね!!」
「そーだな」
黄瀬たちの結婚式が終わり、今はさつきと一緒に帰ってる。
「ねぇ大ちゃん。大ちゃん春乃ちゃんのこと好きだったでしょ?」
「あ?何言ってんだよ」
「きーちゃんが言ってたんだ。『多分、青峰っち春乃のこと好きだと思うんスよ』って」
俺は黙ってさつきの話に耳を傾ける。
「それでね、こうも言ってた。『俺たちが結婚できるのは青峰っちのおかげなんス』って」
「そーかよ」
俺はテキトウに返事を返し、歩くスピードを上げる。
「あ!待ってよ大ちゃん!」
家に着くと、冷蔵庫からビールを出し、缶の蓋を開けて一口飲む。そのビールを机の上に置き、ソファに座る。
俺は春乃の事が好きだった。いや、多分今も好きだと思う。春乃が黄瀬の事が好きだって事は知ってたから、告白しようとは思わなかった。別に片想いでいいと思ったし、あいつが幸せならそれでいいとも思う。だからあの日、泣いて俺のところに来たときは黄瀬をぶっ飛ばしてやりてぇとも思った。何とかしてあいつを笑わせてやりたくて、黄瀬にわざわざ会いに行った。それぐらい春乃の存在は俺にとって大きかった。でも片想いももうこれで終わりだ。あいつはこれから幸せの道に進むんだ。それを俺の気持ちが邪魔をするようなことはしたくない。だから俺の片想いは今日で終わりだ。
俺はいつまでも祈ってる。お前の幸せを。