第9章 計算と本音【澤村 大地】
ガチャ…バタン
誰もいない家に連れ込んで
俺の部屋に入る。
□□の腕を引いて
汗をかくほど走って帰ってきた。
息を整える間もなく
電気もつけず、
ベッドに押し倒す。
「すまん。
□□…」
懇願するように
彼女を見下ろすが
『やだ。許さない。』
と彼女の怒りは鎮まらない。
月明かりが肌を照らして
キラキラ光る汗が綺麗だ。
「何でもするから…許してくれ。」
背に腹は替えられず
この言葉を口にした。
『っ…』
ピタッと体が止まり
『…なんでも?』
と、言って大人しくなった。
(何をさせられるのやら…)
「もちろん、何でもいい。
俺ができることなら…」
『じゃ、じゃあ……』
俺は走馬灯のように
頭の中で色んなエロいことをさせられる想像をした。
俺を縛らせろとか、
ア〇ルに玩具いれさせろとか…
目をつぶって覚悟を決めると
『名前…下の名前で呼んで?』
という言葉。
「あー、そうだよな、
やっぱりア〇ル……って、エッ!?」
な、何だって?
『名前…〇〇って、呼んで…//』
顔を赤らめて
組み敷かれて、そっぽ向く彼女。
「そ、そんなことでいいのか?」
俺は思わず
そんな彼女に聞き返してしまった。
『そんなことって…
呼んでくれたことないじゃん…//』
彼女はまだそっぽ向いたまま。
「わかった…
おいで…」
俺は彼女ごと体を起き上がらせて
ぎゅっと抱きしめた。
『ん…//』
「〇〇…愛してる…//」
耳元で囁くと
『んっ…//』
ピクっと震えるからだ。
「〇〇も、俺の名前…
呼んでくれないか?」
『っ、…だ、大地……//』
顔を真っ赤にして
俺の名前を呼ぶ彼女。
なんだ、これ
初心なフリ?
それともフリしたホント?
ヤバい、分からん。
とにかく興奮して
ドサッと再び押し倒すと…
『ダメ…すごく汗かいてる…』
と、焦らされる。
「いい。汗かいてても…
どうせ今から汗かくんだし。」
スルリと服の中に手を忍ばせると
『い、今シたら、
週末シてくんないでしょ?
大事にとっとくから今日はダメ…//』
と、逃げられる…
「今日は特別…」
『じ、じゃぁ私がリードするから…』
「それはまた今度な。
今日は優しく抱きたい気分なんだ。」