第10章 　煌帝国

シン「・・・レイ。」
レイ「・・・。」
シン「・・・レイー？」
レイ「・・・。」



シャル「・・・王サマー？レイ超不機嫌なんですけど。」


シン「おーいレイー？俺の話は終わってないぞー？」
レイ「私は終わった。・・行こう、二人とも。」
シン「レイ。」
レイ「・・・お父さんはいいのに、何で私はダメなの？」
シン「レイ。」
レイ「私が子供だから？それとも、私が女だから？」
シン「！」
レイ「お父さんなんか知らない。」




そう言うと、レイは見知らぬ二人を連れて去って行ってしまった。




シャル「・・・王サマ、あれは王サマの言葉が足りてないっすよ。」
スパ「・・・そうですね。最初に全否定してしまっては、レイ殿も怒ります。」
シン「・・・やっぱり、そうだよなぁ・・・。」
シャル「どうするんすか？しばらく話なんて聞いてもらえそうにもないっすけど。」
シン「・・・レイに会えないなら、あの二人に先に会えばいいだろう。」




・・・事の発端はこうだ。




レイ「お父さん、この二人シンドリアに連れて帰る。」
シン「ダメだ。（即答」




友達に会っていたはずのレイが煌の城に見知らぬ二人を連れて俺の処へ来て放った一言に俺が即答してしまったんだ。



確かに言葉が足りなかった。
“シンドリアに連れて帰ってこちらの利益になるか確認しないと”ダメだ。というつもりだったのだ。



しかし、考えてみてくれ。実の可愛い娘が知らない人間を連れて来て“一緒に帰る”と言われて動揺しない親がいるだろうか。
顔には出さないようにしていたが正直俺は動揺しかしていなかった。



故に、言葉が足りずにレイを怒らせ、話が出来ない状態になってしまったのだ。





シン「困ったな・・・。あの二人にも会えるのだろうか・・。」