第1章 初対面
シンドバッドSideーーーーーーー
“あの部屋から夜な夜な物音が聞こえる”
侍女達からそう報告を聞いた俺はいてもたってもいられなかった。
ジャ「シン、貴方まさか本気にしてないでしょうね?」
シン「何を言ってるジャーファル?こうやって報告に上がってるという事は、実際に起きているからだろう?今日の夜にでも確認に行こうではないか!!」
ジャ「はぁ・・・貴方って人は・・・。」
もしかしたら、会えるかもしれない。
そんな事、絶対にないと頭のどこかで言うけれど。それでも、俺は期待して夜を待った。
夜中になった。
シン「・・・真夜中だが・・本当に誰かいるのだろうか・・。」
マス「・・・誰かいるっす。」
ジャ「!やはり刺客ですか?」
シン「・・・いや、刺客ではないと思うぞ。もしそうなら、とっくに俺を殺しに来てるだろうしな。」
ジャ「それもそうですが・・・では、一体誰が・・。」
俺はノックもせずに部屋に入った。
ジャ「ちょ、シン!?・・・!!」
この部屋に入ったのは、正直初めてだ。以前まではこの部屋の主が入れてくれなかったからな。
部屋の端に置かれているベッドの足元には、脱いだ靴が放置されている。視線をベッドに合わせれば、奥の方で布団が丸まっている。
規則よく布団が上下するから、恐らく“誰か”はそこにいるのだろう。
いつの間にか俺とジャーファル、マスルールはベッドを囲むようにして立っていた。
ジャ「・・・行きますよ・・。」
そっと、ジャーファルが布団をめくった。
ジャ「・・・!」
シン「・・・ん・・?」
露わになったのは、紫色の髪。随分と長い。顔は残念ながら壁の方を向いていて見る事は出来なかったが・・・恐らく18にも満たない少女だろう。
ふと隣を見ると、ジャーファルがワナワナと震えていた。
シン「えーと・・・ジャーファル君・・?」
ジャ「シン・・・貴方って人は・・!!一体誰との子ですか!!」
シン「ジャーファル君!?まだ俺の子と決まったワケじゃないけども!?」
ジャ「この紫色の髪を見て言いますか!!」