第16章 明かりが欲しい
俺の一声で俺に注目が浴びせられた
そして
仁「氷月に繋がったナリ!」
皆に大きな声で伝えれば
皆は安堵のため息を吐いて喜んでおった
そして誠さんが無言で電話を取って行った
父「氷月っ!今何処にいるっ!!」
必死に呼びかけると氷月は何かを答えているようじゃ
父「中かっ!」
中?やはり閉じ込められておったか
父「すぐに迎えに行くっ!通話はこのままにしておけ!」
誠さんは俺達に視線で迎えに行くかと聞いてくる
俺達はそれに頷き返す
「奈々子は!?」
父親が痺れを切らして叫んでくる
父「1つ聞くが、そこに「奈々子ちゃん」はいるか?」
冷静な声で誠さんが聞くとこちらに瞬きと頷きで返してくる
どうやら近くにおるようじゃ
父「その子は?」
容体を聞く安心した表情を俺達に向けてくる
父「よし、わかった。仁王君、絶対に切るなよ!」
仁「わかっとる」
俺はそのまま誠さんから携帯を受け取る
父「奈々子ちゃんは氷月の近くにいて怪我もないので大丈夫だそうです。俺達が迎えに行くので待っていてください」
早口でそれらを言い終えれば誠さんは扉を開けてそのまま出て行った
俺達は顔を見合わせて全員で出て行く
幸「氷月は何処に?」
父「このホテルの冷蔵庫か冷凍庫の中にいる」
丸「なんだって!」
父「2人とも無事だが、危険な事には変わりはない」
速足で管理者用のエレベータの中に乗り込むと誠さんは迷わず地下3階を押す
仁「氷月、聞こえるか?」
『聞こえますよ』
その声に違和感がある
仁「お前さん、怪我をしておるじゃろ」
『していないです』
さっきのボウガンはしっかりと氷月に当たっておった
その事を思い出せば氷月が持ちこたえられる時間が少ない
仁「監視カメラで見ておった。もう一度聞く。怪我をしておるじゃろ」
あえて疑問形で聞かないのはキッパリと否定をするからじゃ
『...そう、ですね』
息を吐きながら答えた氷月の言葉は力がない
切「氷月先輩!俺ッス!赤也ッス!」
『クス、切原君ですか』
丸「俺もいるぜぃ!」
『丸井君ですね?』
仁「皆お前さんの所に向かっておる、すぐに行くからな」
『わかっています、あ...』