• テキストサイズ

古きパートナー

第13章 テニス


昨晩の事もあり、俺は柳生に氷月と学校を休むと言った

柳生「氷月さんに何があったんですか?」

仁「それは俺にもわからん」

柳生「...ついに本命ですか」

仁「そうじゃな。完全に惚れたナリ」

柳生「私から幸村君と先生方には伝えておきます。氷月さんの事を頼みましたよ」

仁「わかっとる」

電話が終わり後ろを見ても氷月は安らかな寝息を立てて気持ちよさそうに寝ておった

壁に背を向け、俺を見るように横で寝ておる氷月の右腕を取り袖を捲り上げる

そこから見える大きく痛々しい傷

これが事故で付けられたテニスをやる事を左右した傷

この腕でどれだけ守りたかったが伝わってくる

袖を戻し仰向けに寝せてやれば

ベットと壁の間に見覚えのある薄い機会が見えた

それを拾い上げると音楽プレイヤーじゃった

また夜中に聞いておったんか

何処かにイヤホンかヘッドホンがあるはずじゃ

そう思いベットと壁の隙間を見るが見つからず

枕の下に手を入れれば絡まったコードが出てきよった

それを綺麗にときイヤホンを自身の耳に突っ込んだ

そこから氷月の聞いておった音楽を再生する

...綺麗なオルゴールの曲が流れてくる

心の底から安心を覚え、眠りを誘ってくるようじゃ

儚く脆い、それでいて強く奏でられるオルゴールの曲

まるで氷月のようじゃと思ったのは此処だけの話じゃ

誰よりも強く、誰よりも先に行く彼女は

誰よりも儚く、誰よりも脆い

頭を撫でてやればそれを嫌がる事はなく

逆にすり寄ってきた

己の表情が緩み、音楽プレイヤーから反射して見えた自身の顔はだらしなかった






氷月の部屋の台所を使い朝食を2人前用意する

用意し終わった時に寝室を除くが

それでも寝ておる氷月を残し

俺は1人朝食を食べた

時計を見れば学校の1時間目の授業が始まっておった

そのままテレビをBGM替わりに付け、俺はコーヒーを淹れた

テーブルからテレビをやれば昨日のニュースや今週の天気予報が流れ

正面を向けば氷月の寝室を開けっ放しにたドアから

小さく布団に身を包む氷月本人の姿が見える

携帯のバイブがなれば幸村からのメール

今日から来週のテストのために部活動停止だ

まさか
/ 309ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp