第4章 二宮和也の場合。
なかなか離れないソレのおかげで、今の状況が把握できた。感情をぶつける様な荒いキス。
私、カズとキスしてる。
キスの最中、目を薄く開けたカズと視線が合うと、胸が締め付けられるような苦しさを覚えた。
「っは・・・はぁ、・・・」
突然の長いキスのせいで呼吸が乱れる。
「・・・俺が一番を欲しいのに。」
耳元で低く囁くその声にゾクゾクっと体に電気が走るようなそんな刺激。
「カズ、なんで」
「・・・しか、いらない。」
「・・・!」
「ずっと欲しかった。」
「な、んでっ・・・私達」
「・・・今日だけ、今日だけでいいから・・・」
「俺のものになって、」
カズの泣きそうな顔に、さっきのキスを思い出してまた身体が熱くなる。再び触れられた唇に、頭も身体も逃げられなくなっていた。