第29章 秘めゴト/真田弦一郎 4/19更新
「。お茶」
当然のように湯呑みを婚約者であるの前に差し出す
「はい。どうぞ……」
「たるんどる!!オレが言う前にお茶くらいつがんか!!」
「すみません。弦一郎さん……」
「まったく。気が利かんヤツだな」
消え入りそうな小さな声で謝るを横目で見ながらオレは、の手作り弁当を黙々と食べていく
「副部長ったら、酷いッスよ」
「まあ、真田も威張りたい年頃じゃろ……くくっ……」
「弦一郎が怒鳴るのはいつもの光景だ」
口々に好き勝手な事を言っているのは、赤也
仁王、蓮二の3人
オレは、威張っているつもりはない。
当然の事を言っているだけだ
女として、婚約者として
オレに尽くすのは当たり前であろう
は、親同士が決めたオレの婚約者である
今どきの女と違って、清楚で慎ましい
そんな彼女であるからこそ
オレは、好意をもっているし
これからのオレの未来には必ずに居て欲しいと思っている
「弦一郎さん、お茶のお代わりは?」
「うむ。もらおうか」
「はい、どうぞ……」
控えめに微笑むを見ているだけで
オレの心は、満たされていく