第19章 嫉妬には嫉妬でお返し/丸井ブン太 4/3更新
練習も終わり、着替えをしている最中も俺を睨んでいる
一体、何を怒ってんだ?
アイツが怒る理由が……
やっぱ、分かんねー
普段、使わない頭を使ったから糖分不足だ
腹減ったし
そんなコトを考えながら、ジャージをバックに入れようとすると
「あ……」
バックの中から甘い香りが、俺の鼻を擽る
コレ、確か赤也のクラスで調理実習があって、そん時に貰ったんだっけ
手に取り貰ったカップケーキをみていると
「へえ‥…食べるんだ?ソレ?」
「んあ?」
腕を組み、睨んだまま俺を責めるような言い方をする
あれ?
もしかして?
ここにきて、ようやっと気付く
「お前、コレのことで機嫌悪いのか?」
「だったら何!?」
うわっ
分かり易いくらいに不機嫌だし
「そんなに怒ることねぇだろ?」
「意味分かってんの?」
はあ?
意味なんかないじゃん
ただ、調理実習で作ったのが余ったから、くれただけだろ?
「お前の言ってる意味のが分かんねーよ」
「あっそ!もう、いいよ!ジャッカル、一緒に帰ろ」
ジャッカルの手を握る
「ちょっと待てよ!!」
力任せになっちまったけどの手首を掴み、引き止める
「なによ?!」
怒りを露わにしてんだけど、それ以上に俺が、キレそうだ
「来いよ!!」
「ヤダ!」
嫌がるの手首を掴んだまま、俺はさっさと歩きだす
これ以上、コイツが他の男に触れているのを見たくないからだ