第18章 海堂、妬きもちを妬く/海堂薫 4/2更新
小さな身体に大きなカゴ
カゴの中には、沢山のテニスボールが入っている
それを一生懸命に運んでいるのは
マネージャーであり、オレの彼女である
だ
手伝ってやりたいが、今は練習中だ
『薫くんの練習の邪魔はしたくないの』
別に少しくらい、手を貸すのなんか
なんでもねぇが
が、そう言うんなら
仕方ねぇ
黙って見てるしかない
「いけねーな。いけねーよ」
「どうしたの?桃くん?」
「カゴからボールを落としてるぜ?」
地面に落ちたボールを拾い上げ、に近づく桃城
「あっ、ほんとだね」
「俺が持ってやるよ」
「えっ?いいよぅ」
遠慮しているからカゴを強引に受け取り、歩きだす桃城
「気安くオレの女に声、かけてんじゃねぇよ」
あ″っ!?
「と、お前が言う確率100%だ」
「乾先輩……」
「海堂でも妬きもちを妬くとはな」
「勘弁して下さい」
「ふむ……なかなか良いデータが、とれそうだ」
乾先輩のコトは、尊敬してる
だが、そのデータは
とってほしくねぇぜ