第7章 やみき @ 及川徹
「…ごめんね。もっと早くに言っておけばよかった。」
二人で手を繋いで歩きながら、及川は話し出した。
『知ってたんだ、嫌がらせのこと。』
「岩ちゃんに昨日キレられてさ、お前あいつのこと何もわかってねぇだろって言われたんだよね。前からあの後輩が何か絡んでるのは察してたけどね。」
足を止めて、視線を合わせる。
及川は今にも泣きそうな顔で、花を抱き締めた。
「…ごめんね。俺、もっとちゃんとしてれば。」
肩に顔をうずめる及川の頭を撫でる。
『…大丈夫だよ、わたし、及川がバレーしてるところも、ちょっと抜けてるところも、落ち込むとすごい顔するところも、全部大好きだよ。』
「ちょっと待ってすごい顔ってどんな顔してるの!?」
及川は顔をバッと上げて、安定のすごい顔(笑)を見せた。