第6章 犬系彼女 @ 国見あきら
『大体英がそうやってくるのは何か嫌なこと思ったときだよね。前は金田一と喋りすぎたらこうなった!』
なんて言いながら笑ってくる。
そんな花を、愛しくも恨めしく思った。
可愛さ余って憎さ百倍か。
『今日はなーに?』
「…俺以外にそうやってホイホイしちゃダメだよ。ほんとスキだらけ。簡単につけこまれちゃうよ。」
『そんなに?』
「そんなに。ほんと犬みたい。」
『犬ってひどい!!!!!』
怒ってくる花も可愛いものだ。
そんな花に、英は小さくキスをした。
『えへへ、英大好き!いい匂い〜!』
「…そうやって煽らないでくれる?」
にやける口元を手で覆いながら、ほっぺをつねる。
『やだ痛い!!!!』
「覚悟しなよ?」
『へっ?』