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贈りものを君に

第5章 築いた関係



「…?!」

放課後、自分の鞄がボロボロにされているのに気が付いた。小物屋に行く前にトイレに行こうと鞄を持たずに席を立ったのが間違いだったと後悔する。
今迄があまりにも平和すぎて自分の置かれている立場をすっかり忘れていたのだ。

「さん」

後ろから声が聞こえ振り返ると、久々に見たあの女子生徒の軍団がいた。前よりも人数が増えているようだ。

「最近幸せそうじゃない?」

「まああの2人に挟まれているんだもの、幸せじゃないなんて言わせないわ」

ああ面倒だ、早く昇降口へ行こう、とは一瞥して横をすり退けようとする。

「何処行くんだってのッ」

廊下で待機していたのであろう女子生徒が思い切りの足に蹴りを食らわした。予想外であった攻撃に驚きは見事に転んでしまう。羞恥や痛みなど、そういう事ではなく待たせてしまっているという事実に焦り急いで起き上がろうとする。
だが上げた頭を思い切り踏まれ、顔を持ち上げることができなかった。

「いい気でいられるのも今のうちだからね」

何をする気だと思っていると、置かれていた足が退かされ髪の毛を掴まれ持ち上げられる。

「そんなに小物屋に行くのが大切なの?それともジョジョや花京院君のことかなあ?」

抵抗するなど珍しかったから思わず笑ってしまったのだろう。だがそんな事を考えている暇はないと髪の毛を少し犠牲にして間合いを取る。卑怯だとは思いつつも自分に備わっている他人のスタンド能力を止める力を使う。すると女子生徒たちは動けなくなり、その隙には承太郎が待っているであろう昇降口まで急いだ。
逃げ切れたか、と安心して気が緩んでしまっていたは、物陰に隠れその能力の餌食にならなかった女子生徒に気が付かなかった。その女子生徒は嬉しそうな顔で背後にぬらりとたった。

「お疲れ様でしたあ」

変に間が抜けた声が聞こえ視線をずらすとにたりと笑った女子生徒がの体を思いっきり押した。
足元に目を向ければそこは階段で、手をついても今更遅いと感じる。久しく感じた怖いという感情が心を埋め始めるとぎゅっと目をつぶる。
物々しい音を立てて落ちたは何も考えられずにそのまま意識を手放した。



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