第26章 〈ドフラミンゴ〉この関係が永遠に続けばいいなんて
「何してるんだ?」
事後、隣で煙草を吸っている男に声を掛けられる。私は体を下に向けて、ずっとスマホを弄っていた。
「ん? 内緒〜」
SNSを見ながら、悪戯心で答える。
「何してるんだよ」
彼は煙草を灰皿に置いて、私の上へと覆い被さってくる。
「ちょっと〜重いんだけど」
「いいじゃねェか」
嫌がる言葉を口では言うが、内心は嬉しくて自然と笑顔が溢れる。
「……それ……」
「奥さんのインスタでしょ?」
私が見てたのは彼の奥さんのInstagramだった。
「新しいドラマやるんだね。あ、ローくんが旦那役だって。面白そ〜」
上にいる彼を振り返る。
「いいねしちゃおっかな〜」
「おい、やめろ」
彼は焦った様子で、私の手からスマホを取り上げようとする。それよりも前に、私はインスタの投稿にいいねを押した。
「はい、残念。押しちゃった」
「お前……」
私は彼の唇へとキスをする。
「……んっ、ん……」
彼の長い舌が口の中へと入って来る。そして、すぐにまた体を触られる。私はそっとスマホの電源を落とした。
ーー彼との関係は俗に言う“不倫”と呼ばれるものだ。誰にも言えないし、バレたら私も彼も仕事を失う。