第11章 〈ルナミ〉俺の船の航海士
数分もかからず、男たちを撃退したルフィの隣を歩きながら船へと戻る。
「ルフィ、ありがとう」
「おう!」
ニシシッと歯を見せて笑う。先程の彼とは大違いだ。
「なァ、ナミ」
「ん? 何?」
ルフィは頭の後ろで手を組みながら、わたしの方をチラリと見た。
「今回みたいになんかあったら、おれのことを呼べよ。だって、お前は……」
ルフィは目を細める。いつもと違う表情に一瞬、心臓がドキッと高鳴った。
「おれの船の航海士なんだから」
「……ええ」
わたしは気付かれないように笑う。
ーー本当は仲間としてじゃなくて、1人の女として見てほしい。でも、それはわがままな話で……。きっと、これから先もわたしはあなたの船の航海士として、あなたの横に並んで一緒に戦う。この関係はずっと変わらない。
そう思いながら、わたしは彼と並んで日が傾き始めた街中を歩いた。
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