第9章 〈ONE PIECE〉3船長
『だから! おれに任せろってんだろ!』
『いや! おれが歌う!』
『おれに命令するな』
『わっかんねェ奴らだな!』
『わかんねェのはお前だ!』
モニターには建物の奥から3人の人影がこちらに向かって歩きながら、揉めている様子が映し出されている。その姿はどんどん鮮明になっていく。
『キャーーーーー!!!!!』
会場は割れんばかりの歓声に包まれている。
『よーし!』
ある男の子の声と共に、足がアップになったかと思うと、3人の姿が映し出される。
『キャーーーーーーーー!!!!!!!!』
今日、1番の歓声がドームを包み込む。
『おめェら! 引っ込んでていいぞ!』
『おい、聞いてんのか! お前ら2人に引っ込んでろって言ったんだ!』
『もう一度おれに命令したら、お前から消すぞ、ユースタス屋!』
『キャーーーーー!!!!!』
ファンの中には、喜びの余りに隣の人と抱き合っている人、泣いている人、ペンライトをブンブン縦に振っている人などがいる。
モニターには3人のそれぞれのドアップと共に、名前が下に書かれている。
『モンキー・D・ルフィ』
『おれ、おめェらと歌えて嬉しいぞ!』
『キャーーーーー!!!!!』
先程までの仲の悪さはどこへやら、ルフィは嬉しそうにニコニコ笑っている。
『ユースタス・キッド』
モニターの中にキッドがドアップで映ると、彼は不敵に口端を上げた。