第8章 〈サボ〉どうして冷たくするの?
そこへ、イワンコフが割り込んできた。
(イワさん……)
ーまさか、言うつもりなんじゃ……。
「……ヴァナタ……」
「イワさん、ま……」
レイが止めるよりも早くイワンコフの口が動いた。
「もっと頑張った方がいいっキャブルよ」
「……え?」
レイはそれを聞いて驚いた。
(どういうこと……?)
ー予想と全然違う……。サボにわたしが話してたことを言うんじゃなかったの?
レイはチラッとサボを見た。
「……サボ?」
サボは耳まで赤くなっていた。
「ど、どうしたの? サボ、熱でも……」
「い、いや、熱はない」
「でも、顔が赤い……」
「こ、これはさっきコアラと手合わせしてたから……」
「まさか、どっか怪我したの!?」
レイはそう言って、サボの体を触り始めた。
「え!? おい、レイ!」
「コアラ、手加減できないから……どっか怪我してない? 早く見せて!」
「や、やめろ!」
サボはレイを押した。
ドンッ
「いったー……」
レイは腰を強く打ってしまった。
「……」
サボはそんなレイを見て一瞬焦ってレイを起こそうとしたが、ハッと思いやめてしまった。
「……レイ、おれのことは気にするな」
「え……」
サボはそれだけ言って出て行ってしまった。