第1章 Ⅰ おかえり
そして日曜日
とうとうこの日が来てしまった
俺は1年ぶりに真咲に会う
この1年間、何回かメールはしたことはあった
ただ俺は別に真咲の彼氏でも何でもないんだって考えたら、どうも自分から送る気にはなれなかった
迎えに行くってメールはしたけどいざ真咲と会ったら
なんて言葉をかけたらいいのかわからない
『おう。』
・・・いや、これはなんか素っ気ないな
『会いたかった』
・・・まてまてまて。これはさすがに馴れ馴れしすぎる
うーん
「おい!ハル!!あの中にマキちゃんいるんじゃないか?」
・・・!
俺は真琴が指差したほうに振り返った
『真咲・・・真咲・・・」
俺は人ごみの中から真咲を必死に探した
「ハ・・・ル・・・?」
・・・・・・・!!!
「真咲・・。」
「ただいま。ハル・・・!」
目の前にいたのは少し大人っぽくなった真咲だった
キャリーケースを片手にこっちに向かって走ってくる
胸にこみ上げてきた熱い気持ち
そう。あの日、真咲と初めて出会ったときと同じ感覚だった
会いたかった・・・。すごく会いたかった・・・。
視界がだんだんぼやけてきた
泣くな、笑って迎えようって決めたんだ
あふれる思いと涙と必死におさえこんだ
そして今、目の前にいる彼女を抱きしめる
「おかえり。」