第1章 Ⅰ おかえり
そして一週間後
俺は市民大会に出場した
種目はもちろん、フリーで
―空港―
『国際線 ドイツ行をご利用のお客様は-・・・』
「そろそろ行かなきゃ・・」
「おい!ハル急げ!!」
「ハァハァ」
藤木・・・もう出発したか・・
「七瀬くん・・・?」
「ハァハァ・・・藤木・・!」
「来てくれたの・・?」
「もう、行くのか?」
「うん」
「そうか・・・、これ・・・」
「なに?・・・これ・・・トロフィー?」
俺は市民大会で優勝してもらったトロフィーを渡した
「ちっさい大会だけど・・俺、競泳続けることにした。」
「・・・これ、もらってもいいの?」
「・・・藤木のおかげで俺、決心がついたんだ。だから藤木に持っていてほしい。」
「・・・・!」
藤木の目から涙があふれた
「お、おい・・!藤木?」
「ごめんね・・・、嬉しかったから・・!ありがとう!」