第26章 ♡Story23♡ 熱愛疑惑は白or黒?
百合Side
「っすいません......」
撮影中、百合は視線の気まずさのあまりNGを何回か出してしまった。
「大丈夫、気にしなくていいよ(微笑)」
「何あの子、柊君の足引っ張ってんの?チョーうざい」
「餓鬼のくせに柊君に色目使ってるからああなるんでしょ?(笑)」
「あー嫌だねぇ......最近の餓鬼は(笑)」
「っ......」
(私だって、ミスしたくてNG出してるわけじゃないもん!)
唇を噛み締める百合。
「......。」
柊は自分のファンであろう女子生徒がいる方へ視線を向けた。
「やっばぁ!柊君がこっち見たぁ♪」
「あれ絶対私を見たんだってば!」
「......(睨)」
ほのかに眼を飛ばした柊、そんないつもと違う柊にファン達は肩をビクつかせた。
「っ何よ......あんな子庇っちゃって......」
「あの餓鬼、一体柊君に対してどんな色仕掛けしたのよ......」
「......。」
「......っ柊さん!」
そして柊は百合の問いかけをよそに、睨んでいたファン達の元へ歩いて行った。
「っ柊さんもしかして......」
(もしかして、午前中の女性スタッフと同じように......?
っそれなら、さっきみたいに小言じゃ済まない気がする......
それだけ彼は、百合ちゃんの事を......)
柊を心配そうに見つめる涼介だった。