第18章 ♡Story15♡ 撮影開始!
家に帰った百合。
ばふっ
「ふぅ......」
百合はベッドにダイブ。
そして机に置いてあるSECRET✡NIGHTの台本を手に取る。
「ヒロインは紅羽(クレハ)学園高等学校に通う高校1年生.....
プロのピアニストを目指しており、人より内気気味な女の子......。」
台本からはヒロインのそんな様子が語られている。
(ピアノは、少しなら出来るかな?
昔少しかじってたし......)
百合は部屋の隅に置いてあるピアノに目を向ける。
「はは.....大分使ってないよな(苦笑)」
そしてアップライトピアノの鍵盤蓋を開き、
試しに音を出してみる。
「楽譜は......本棚のところにあったはず.....」
本棚から楽譜集を見つけ出した百合。
「......まずはこの童謡集のやつで引いてみようかな?」
楽譜は童謡集の他に色々あった。
まずは比較的簡単な"ねこふんじゃった"を
引いてみることにした百合。
~~♪ ♬ ~~🎶♫
「......。」
(ねこふんじゃったは大丈夫!)
どうやら百合は感覚的に覚えていたようだった。
演奏を終えた百合は少し指を休ませる。
「ふぅ......もう少しやればピアノは大丈夫かな?」
すると丁度そこに...
「百合ー」
「あ、お兄ちゃん!」
部屋に入ってきたのは裕太だった。
「下からピアノの音色が聞こえて来てさ!
急にどうしたの?(笑)」
「うん、ドラマのヒロインがピアニストを目指していてね?それでピアノが少しでも出来たらなって思って!」
「へぇ、偉いな!ピアノを弾くシーンは
引いてる振りでやるのがほとんどなのに......」
「そうなのっ!?」
「うん、だってピアノのシーンって何だかんだで指だけのシーンが多かったりするでしょ?」
「まぁ......」
「あれは役者じゃなく
てピアノ弾ける人がやっていたりするからね。」
「へぇ......」