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異世界の住民【黒子のバスケ】

第4章 唯一の国


「戦闘中に怪我を───」

「お、俺を庇って怪我をしたんスよ。」

黄瀬は、柚姫の言葉を塞ぐように言う。塞がれた方の柚姫は、目を見開いていた。苦しげな表情を浮かべる黄瀬に対して、杲良は怒りで顔を歪める。

杲良は、ズガズガと乱暴に歩き黄瀬の前に立つ。そして、杲良は鞘から刀…いや剣を抜き取る。黒子達や柚姫は、目を見開く。

杲良は、剣を振り上げる。まさか…と言葉を漏らす柚姫。

「お前が僕の婚約者を…怪我をさせたなーッ!!」

剣を振り下げ黄瀬は、目を強く瞑る。が、それが思いもよらなかった。ザシュッ!という斬れる音が聞こえる。しかし、黄瀬は痛みを感じなかった。

黄瀬は、ゆっくりと目を開けると其処には、黄瀬を庇うように抱き締める柚姫の姿。

「な、んで……??」

黄瀬は、何とか柚姫に声を掛ける。怪我をしている右腕を更に先程に、剣が柚姫の右腕を斬る。新しい傷が増え血が流れ出す。杲良の剣には、柚姫の血がべっとりと付いていた。

「…っ……。」

柚姫は、僅かに声を漏らしたが騒がない。黄瀬だけにしか分からないが、柚姫の右腕が震えていた。怖くて震えているのか、それとも斬られあまりにもの痛みで震えているのか分からなかった。

「何故、そんな奴を庇う!?何故ッ!!」

杲良は、柚姫に向かって怒鳴る。やがて、柚姫はゆっくりと黄瀬から離れ睨み付けながら言う。

「この人達は、私の客人です。勝手に、斬っては困ります。」
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