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異世界の住民【黒子のバスケ】

第12章 約束


「今から移動する。賢次、洸汰、そして黒子達意外の人間は、あの術式に移動しろ。反論は認めない。今は、時間がない!急げッ!」

光瑠の声はいつも以上に荒々しかった。部下達は、ハッ!と声を張り上げてドタドタと移動し始める。

しかし、優花はその場から動こうとはしなかった。驚きの表情をみせていたのだ。

「おい!一体何があったんだよ!あ、ですか!?」

火神は、光瑠に質問を求めるが皆に背を向ける。そして…。

「今から此処は地獄へと変化する。今は、避難する事だけを考えろ。」

光瑠の言葉から出たのはとんでもなかった。やがて、優花はゆっくりと口を動かす。

「私は、戦えなくても皆様に付いて行きます。例え、地獄の世界であろうと…何処までも付いて行きます。」

優花の瞳は、真っ直ぐに光瑠を見ていた。光瑠は、肩を竦めて優しい笑みを浮かべ優花を抱き寄せる。

突然の出来事に、優花は目を丸くさせ驚きの表情を浮かべるばかりだ。そして、呟くように、優しく言った。

「お前は、先に行け。俺は、お前が好きだ。いや……愛してる。この世で誰よりも…だ。だから…生きろ……。」

「……っ……。」

光瑠は、優花のうなじを軽く叩き気絶させ他の部下に預け、任せるのだった。光瑠の突然の告白に辺りは騒然となったが、やがて重々しい空気が流れる。

「……お兄様、いいのですか?」

「あぁ…。いいさ、これで…。とりあえず、お前はあの術式の場所に案内しろ。」

柚姫は、はい…と呟くように言ってから黒子達の方を向く。
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