誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第5章 すれちがい。
冬は目と鼻の先まで来ている。平次が和葉に告白してから半年が経とおとしていた。時が経過していくにつれて前の幼なじみの関係に戻りつつあった。もちろんお互い好き同士であるが何かときっかけがないと2人は言葉にすることができない。そんな時のことだった…
「平次~。今日は一緒に帰れるやんな?」
昼休み、和葉は平次のクラスに来ていた。ここの所、2人の予定がなかなか合わず一緒に帰れない日が続いている。
「あぁ。悪いな。今日も部活でおそーなるから先帰っといてくれや」
素っ気なく平次は言った。
「そうか~。部活やったら仕方ないなぁ。頑張ってな」
「おう」
和葉はしぶしぶ自分の教室へと帰っていった。
(平次、最近あたしに対してずっとあんな感じやな…もしかしたらあたしのこと嫌いになってしもたんかな?)
机に肘をつき窓の外を見ながら和葉は思った。
「どーした。遠山」
声をかけてきたのは右斜め前の席の柊健人(ひいらぎ けんと)だった。
「あ…健人。ちょっと考えごとしててん。……また平次がな一緒に帰られへんって…」
「大丈夫か?色々、服部のことで悩んでるみたいやなぁ。俺でよかったら悩み事きーたるで?せや。今日、一緒に帰られへんか?遠山の悩み聞けるしな」
「ありがとー」
放課後 in剣道場
練習試合が近く、平次は練習を必死に取り組んでいた。そのせいか体がかなり疲れてしまって和葉と話す時も適当のような会話と口調になってしまう。
(最近ずっと和葉と一緒に帰れてないなぁ…。悪いなぁ。ほんま)
そう思いながら素振りをしていた。しばらくして休憩が入ったのでお茶を飲みに平次は外へ出た。するとフェンスの間のところから和葉の姿が見えた。
(お!和葉や)
「おーい!和葉ー」
そう言って平次は手を振ったが和葉は気付いていない様子だった。それどころか誰かの隣でうれしそうにはなしている。
「…!?」
和葉の隣をみると男子が笑って話している。
「あ…あれは。和葉とおんなしクラスの柊やんけ。あいつっ…。俺の和葉となかよー喋りやがって」
和葉と健人の後を平次は追おうとしたが校門の前までしか後を追えなかった。
「くっそ」
平次は悔しさが溢れ拳を強く握った。