誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第22章 慈命
夕方になって平次が仕事から帰ってくると2人で産婦人科に足を運んだ。待合い席受付を待っていると和葉は平次と出会った頃のことを思い出していた。
「あたしらが初めて会った時って4歳位の頃やんなぁ」
「そういやそんな時やったっけ。オトンが俺を和葉の家連れてきた時やんな。あれからもう16年経つで。早いもんや」
「そやねぇ」
「俺な、今働いてる仕事で金溜まったら探偵事務所開こうと思うねん。ほんで、それで金溜まったら家族4人で暮らせる一軒家建てようと思てるん」
「ええやん。ほんでも、あんま無理しんといてな」
「そこは分かってるって」
そんな会話をしていると医師が2人を呼んだ。
「第一診察室へとお入りください」
「はーい」
平次と和葉は診察室へ入った。入るとすぐ和葉はベットに寝かせられエコー検査の準備がされた。少し大きくなったお腹に冷たい器具がそっと当てられる。平次は椅子にすわりそれを横から見ていた。
「分かりますか?これが赤ちゃんの手ですよ」
医師はそう言ってモニターを平次と和葉の方に向けた。
「ほんまや~。メッチャちっちゃい」
和葉は自分の中で生きている新しい命の心美を感じた。しばらくモニターを見続けていると医師があることに気付いた。
「ん?」
「ど…どうしたんですか?赤ちゃんに何かあったんですか?」
平次と和葉は不安の表情を浮かべた。
「……男の子と女の子の双子ですね」
「ええっ!男女の双子ですかっ?!」
「はい」
医師は赤ん坊の見える位置へと器具を動かした。
「ハッキリと見えます。間違いないでしょう」
それを聞いて平次は笑顔を浮かべた。
「やったやんけー!和葉!」
「うん!ほんなら、男の子の名前と女の子の名前、両方とも考えなあかんな」
「そやな」
その後、胎児のエコー写真をもらい2人は喜びに満ちた顔で帰って行った。