第11章 人間界
悠と桃は人間界にある屋敷(実沙緒の実家の隣)にいた。
「匡様、僕を八大から抜けさせてください。」
人間界に行った桃と悠は住むマンションも決まり、悠の天才的(妖では普通)な頭の良さで働き口も見つかっていた。
「だめだ」
通常、八大は収める土地か天狗の郷の屋敷に住む。
「どうしてですか!」
「あー桃様!伯耆殿!お久しぶりです!」
太郎は畳んだ洗濯物を持っていた。
「太郎ちゃん!久しぶり~」
「桃様と伯耆殿が居なくなってから、大変だったんですよ~颯様たちは喧嘩して、あやめ様は具合が悪くなり…姫様は落ち込んであまり元気が無かったし、匡様は毎日寝言が『桃』か『伯耆』だったんですよ~起きてても『寂しい寂しい』って。」
意外だった。
「あーーーー太郎!余計なこと言うな!」
「匡様…」
匡の顔は真っ赤だった。
「そうだよ!お前ら居なくなって寂しいんだよ!だから早く戻ってこい!爆弾みたいのなんて、前鬼も居るし、六年間も一緒に暮らしてたんだ!大丈夫だから!」
桃は泣きそうだった。
「匡さん…ありがとうございます。」
――――おまけ―――――
「あっでも、今月いっぱい人間界にいます。」
「は?」
「いや、アパートの家賃と給料の関係で…」
「あー。あぁ、分かった。