第43章 試合を見る事
この試合だけでも、何度及川さんを凄いと思ったか分からない…
嶋田
「─バレーはさ、“サーブを受ける側”の方が得点し易いんだ。先に攻撃を仕掛ける事になるからね。で、今度は得点した側がサーブ権を持つから、普通に行けば交互に点が入る筈なんだよね」
梢
「レセプション側が先に攻撃出来ますからね」
平間
「レセプション?」
暦
「えっと、相手サーブを受ける動きの事です」
私も、あまり使ってない言葉だけど…
嶋田
「そう。─でも、あの及川君は、サーブだけで大量に点を獲ってる。もしもバレーに〝究極のプレー〟があるとしたら、サーブだけで25点全部を獲る事だと思うんだよね。まぁ、無いとは思うけど…」
…どうなんだろ…あるのかな、過去にはあったのかな、もしあるなら見てみたいような…
梢
(暦、そこ真剣に考えなくていいトコっスよ)←あえて口には出さない。
嶋田
「相手に攻撃のチャンスすら与えない。それがサービスエースだから」
ピーーッ
!及川さんの次のサーブ…
及川
「これで決めるぞ!!!」
青城
「オオ‼︎」
この点差でも青城は、少しも気を緩めてない。