第29章 練習試合─VS音駒高校─
研磨さんのトスは、左へ上がっていた。
月島
「‼︎」
田中さんが、ディグに動くも失敗し、音駒の得点。
まさかの視線フェイント!
蛍、めっちゃ眉間に皺いってる…悔しそうだな〜。
音駒の強さのポイントは…選手皆の安定したレシーブにある。
綺麗な返球があるから…研磨さんは本領を発揮出来て、多彩な攻撃へと繋がる。
“俺達は血液だ。滞り無く流れろ。酸素を回せ。“脳”が、正常に働く為に”
“血液”は音駒の選手、“酸素”はボール、“流れ”と“回す”はレシーブ、そして“脳”は研磨さん。
何と言うか、“チームとしての強さ”って感じがあるな…
ボッ ドッ
黒尾さんのスパイクが決まり、同点となった。
猫又
「…超人みたいなエースが居なくても、地道に、丁寧に、1点1点を積み重ねて行けば─…」