第4章 レシーブ練習
影山君が日向君にトスを上げたがらないのは、多分“ケチ”が理由じゃない…と思う。
暦
「ちゃんと理由があって、言葉で言えるものなら伝えないと…察してもらえると思わないでさ」
田中
「おお鳴宮、良い事言うな!そーだぞ影山ー!」
影山君が、日向君に向かって口を開く。
影山
「…レシーブあってのトスと攻撃だ。それがグズグズのくせに、偉そうに言うな」
おお…予想以上の厳格さ。
影山
「土曜の3対3でも、トスは極力田中さんに集める」
日向
「!」
影山
「攻撃は田中さんに任せて、お前は足を引っ張らない努力をしろよ」
それは少し酷いんじゃ…
日向
「………お、おれが満足にレシーブ出来るようになったら、お前はおれにもトス上げんのか」
影山
「…『勝ち』に必要な奴になら、誰にだってトスは上げる。試合中“止むを得ず”お前にトスを上げる事もあるかもな。でも、今のお前が、『勝ち』に必要だとは思わない」
日向
「───!」
“勝ちに必要だとは思わない”…?
影山君って馬鹿だ…バレーボールの事理解してるの…⁉︎